〜完了感をもたらすスキル〜
「仕事が辛くて仕方ないんです」と言われたら、あなたならどう返しますか?
「そんなことどうするの」「もう少し頑張ったら?」「あなたなら大丈夫よ!」…
これらの例は、相手のボールを受け取っているのではなく、自分が投げたボールを投げている例です。
これでは、「自分の気持ちを受け止めてもらえている」という気持ちにはなれません。
大切なのは、相手のボールをしっかり受け取って、相手に話させることです。
「仕事が辛くて仕方がないんですね。例えばどんなところが辛いんですか?」
このように、相手の気持ちを繰り返すことで、相手は自分の言ったことが否定されずに
受け止めてもらえた、と感じられるのです。
このように、完了感をもたらすスキルの例として「バックトラッキング」があります。
バックトラッキングとは、相手の話を伝え返すことです。
これには3つの方法があります。
・相手の直前の言葉をそのまま返す
・話す順番は、まとめて返す
・相手の話にキーワードを返す
「あなたは〇〇と感じたのですね」と、相手の気持ちを受け取ることで、「この人は
私をわかってくれた」と安心感を感じられます。
ただし、バックトラッキングは同意とは違います。私はあなたの話を聞いていますよ、
というサインです。
また、完了感をもたらす接続詞として、「促しの接続詞」が挙げられます。
英語で言えば「And」でつながっていく言葉、「それから?」「それで?」などの言葉です。
相手の話の途中で「え?そうなの?」と思ったり、「違うんじゃないの」と思うこともあるかもしれません。
それでもあなたは聴き続けることができますか?
ここでもしあなたが「いや、それは違うんじゃないですか」と言ってしまうと、相手のシャッターは下りてしまいます。
「そうか、とても悔しかったんですね。それからどうされたんですか?」と促し続けることができたら、あなたは上手な聴き手のスタンスに立っています。