《カウンセリング》カウンセリングの基礎知識③

カウンセリング〜ベーシック〜

完了感をもたらすスキル〜

「仕事が辛くて仕方ないんです」と言われたら、あなたならどう返しますか?

「そんなことどうするの」「もう少し頑張ったら?」「あなたなら大丈夫よ!」…

これらの例は、相手のボールを受け取っているのではなく、自分が投げたボールを投げている例です。

これでは、「自分の気持ちを受け止めてもらえている」という気持ちにはなれません。

大切なのは、相手のボールをしっかり受け取って、相手に話させることです。

「仕事が辛くて仕方がないんですね。例えばどんなところが辛いんですか?」

このように、相手の気持ちを繰り返すことで、相手は自分の言ったことが否定されずに

受け止めてもらえた、と感じられるのです。

このように、完了感をもたらすスキルの例として「バックトラッキング」があります。

バックトラッキングとは、相手の話を伝え返すことです。

これには3つの方法があります。

・相手の直前の言葉をそのまま返す

・話す順番は、まとめて返す

・相手の話にキーワードを返す

「あなたは〇〇と感じたのですね」と、相手の気持ちを受け取ることで、「この人は

私をわかってくれた」と安心感を感じられます。

ただし、バックトラッキングは同意とは違います。私はあなたの話を聞いていますよ、

というサインです。

また、完了感をもたらす接続詞として、「促しの接続詞」が挙げられます。

英語で言えば「And」でつながっていく言葉、「それから?」「それで?」などの言葉です。

相手の話の途中で「え?そうなの?」と思ったり、「違うんじゃないの」と思うこともあるかもしれません。

それでもあなたは聴き続けることができますか?

ここでもしあなたが「いや、それは違うんじゃないですか」と言ってしまうと、相手のシャッターは下りてしまいます。

「そうか、とても悔しかったんですね。それからどうされたんですか?」と促し続けることができたら、あなたは上手な聴き手のスタンスに立っています。

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