臼井霊気療法の教義に、「今日だけは、怒るな、心配すな、感謝して、業をはげめ、人に親切に」という五戒があります。非常に平易な教えですが、ここに霊気法の神髄が含まれています。
今日だけは
人間が、地上で学びを進める中で、「今日一日の大切さ」を認めれれたものです。私たちが生存する期間は一瞬に過ぎません。この地上で、私たちの「必要学び」が完成するかどうかは、今日一日がどのようであったかによって決まります。
過去・現在・未来の中で、現実に存在するのは「現在」だけです。「過去」は過ぎ去った日であり、「未来」は未だ来ていないから自分もわかりません。「月」だけでは「今ここに生きている日」 とは現実存在していないことから、「今日一日を大切に」ということになります。「今日」 とは今の一瞬一瞬の集積であり、その一瞬々々に生きるかということが、この人生を充実することになります。「今日一日を大切にして、このように生きよう」という教えです。そして、「今日だけは」というのは、「五戒」のすべてにかかる言葉です。
怒るな
怒りの感情は、他人を傷つけ自分も苦しめるので、そのような想念を持ってはならないと教えられています。さらに、言葉や態度の感情に振り回されてはけないという教えでもあります。感情=ごうまん、カルマを生む原因にもなります。「自己中心の考え」の強い人ほど感情の起伏が激しく、自らを省みることなく、怒り・嫉妬・憎しみの感情にエスカレートさせ、自分自身を破滅に追い込むこともあります。霊気の活用によって、精神と感情のバランスを回復させ、心の静寂と安らぎの境地を獲得することができます。
心配すな
今日一日、正しく努力した後は、すべてを宇宙に任せ、安らかな心を保持しようという教えです。人の心は、過去にとらわれ、未来を恐れ、現在に意識をとどめることができません。人間が「心の安定」を保つには、宇宙に対する真実を知り、宇宙に任せ、宇宙と調和して暮らすこと、が、不安から脱出する方術になります。レベル3は、宇宙にすべてを任せることを学ぶステップです。
感謝して
人は自分の力で生きているのではなく、生かされていることに気づけば、大自然の力に感謝し、周囲に感謝する心が生まれます。感謝の心は人間の心が持つ、高い意識から発せられるエネルギーです。利己的な欲望にとらわれて、満足と感謝の心を忘れたとき、人は本来の心を見失ってしまいます。霊気の恩恵を受け、霊気に親しんでいれば、自然に感謝の心が湧き出るようになります。
業をはげめ
業は、仕事の意味もありますが、すべての行為・行動を指す言葉でもあります。ここでは、五戒の理念から見て、「業をはげめ」とは「私たちの学びに直接関するすべての行為・行動(仕事・家庭生活を含む)を正しく学びにすること」であり、理想や夢を抱いても、現実に人とそれぞれの関わりの中での生活を通して学び、日常生活や仕事を通して行われます。
一時、世俗を離れての修行という考え方もありますが、仕事や他人との関わりの中で学びを進めるのが本来のあり方で、霊気療法ではそのための活用法が示されています。
人に親切に
人はそれぞれ学びの課題を持ち、それを援助する人たちに囲まれて支え合い、先生となり生徒となって学びを進めています。私の人生舞台に現れる人たちは、様々な役割を受け持ち、私の学びの援助者でもあります。私の周囲に現れる人は、悪役として登場したとしても例外なく協力者です。私たちは、好ましくない役割を担っている人に対しても、悪い感情を持たず、むしろ「宇宙の応援団」として自他関係の調和と自己浄化の手段です。「人に親切に」ということは「自分を大切にする」ことに繋がります。この心は、霊気療法の修養を通して、自然に培われるものです。