《カウンセリング(ベーシック)》コミュニケーションの基本― 「聴く」「受けとめる」「伝える」の調和 ―

カウンセリング〜ベーシック〜

カウンセリングの土台となるのは、何よりもコミュニケーションです。
しかし、ここでいうコミュニケーションとは、単に会話の技術や情報のやり取りではありません。
それは、「心と心が出会い、響き合うプロセス」です。
クライアントの言葉を“聴き”、その存在を“受けとめ”、そして必要なときに“伝える”。
この三つのバランスが、カウンセリングの基礎であり、癒しの関係を築く鍵となります。

■ 「聴く」― 相手の世界に心を向ける

コミュニケーションの第一歩は、“聴く”ことです。
多くの人は「聞く」ことはできても、「聴く」ことは意外と難しいもの。
“聞く”が耳で音を拾うことだとすれば、“聴く”は心で相手の世界を感じ取ることです。

カウンセリングにおける聴く姿勢とは、相手の話を評価せず、分析せず、ただ受けとめること。
相手の話の内容だけでなく、声のトーン、表情、沈黙の間にも、心のメッセージが隠れています。

そして、話を聴きながら自分の中で「何を感じているか」にも気づくことが大切です。
共鳴(エンパシー)の感覚が生まれたとき、クライアントは「この人は私をわかってくれている」と感じ、
安心して心を開くようになります。

■ 「受けとめる」― 相手の感情をそのまま受容する

聴くことができるようになると、次のステップは受けとめる力です。
カウンセリングでは、クライアントが時にネガティブな感情を表現することがあります。
怒り、不安、悲しみ、孤独――。
その感情を変えようとしたり、否定したりするのではなく、まずは「そう感じていること」に寄り添うのです。

「そんなふうに感じておられるんですね」
「その思いには、きっと深い理由があるのですね」

このような応答は、相手の感情を受けとめ、存在を尊重するメッセージになります。
人は「理解されたい」という根源的な欲求を持っています。
その願いが満たされたとき、自然に癒しが始まります。

受けとめることは、相手を変えることではなく、相手が自分を見つめ直すための“場”を整えること。
その温かな場が、クライアントの自己理解を深めていくのです。

■ 「伝える」― 必要なときに、必要な言葉を

聴くことと受けとめることができるようになったら、次は「伝える」力。
ここで大切なのは、「言葉を使って導くこと」ではなく、
“響くタイミングで、最小限の言葉を添える”という姿勢です。

クライアントの話を聴いていると、「こうすればいいのに」と感じることがあります。
しかし、アドバイスや意見を早く伝えてしまうと、クライアントの内側にある答えを奪ってしまうことも。
カウンセリングでは、クライアント自身が気づくプロセスこそが重要です。

ですから、伝えるときは「答えを渡す」のではなく、「気づきのきっかけを差し出す」。
たとえば、
「今のお話の中で、特に印象に残ったことはありますか?」
「そのとき、どんな気持ちが一番強かったですか?」
といった質問が、内省を促す“やわらかな導き”になります。

■ 言葉よりも「在り方」が伝わる

カウンセリングのコミュニケーションにおいて、
最も大切なのは、カウンセラー自身の在り方です。

どれほど言葉を尽くしても、カウンセラーの心が不安定であれば、
相手の心は無意識のうちにそれを感じ取ります。
逆に、穏やかで開かれた心で向き合えば、言葉が少なくても安心感が伝わります。

「何を話すか」よりも、「どんな心でそこにいるか」。
レイキやヒーリングにも通じるように、エネルギーは言葉を超えて伝わります。
穏やかで静かな心の波が、相手の中に平安をもたらすのです。

■ コミュニケーションの本質は“共に在る”こと

カウンセリング(ベーシック)におけるコミュニケーションの基本は、
“相手を理解すること”よりも、“相手と共に在ること”にあります。

相手を変えようとするのではなく、
「今この瞬間のあなたを、私はここで受けとめています」
というまなざしで関わる。
その瞬間、クライアントは孤独から解放され、心に希望の光が灯ります。

言葉を超えた深いレベルでのつながり――
それこそが、カウンセリングにおける真のコミュニケーションです。

■ おわりに

カウンセリングの基本は、「聴く・受けとめる・伝える」という三つの柱ですが、
その根底にあるのは“愛と信頼”です。
クライアントの中にある力を信じ、尊重し、寄り添う。
その姿勢が、どんな言葉よりも相手を癒します。

コミュニケーションとは、心と心が触れ合う優しい時間。
その静かな対話の中で、人は自分を取り戻し、人生をもう一度歩み始めるのです。

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