カウンセリングのアドバンス段階では、単なる問題解決を超えて、より深いレベルで心の癒しを進めるためのメソッドが扱われます。その中でも特に重要なテーマが 「感情は感じ切ると流れていく」 という原則。多くの人が誤解しているように、感情は「抑える」べきものではありません。また、無理にポジティブに変換しようとすると、かえって心の中に溜まり続けてしまうこともあります。アドバンスカウンセリングでは、この“感じ切る”というプロセスがなぜ大切なのかを、実践しながら深く理解していきます。
◆感情は抑えつけるほど強くなる
私たちは、怒り・悲しみ・不安・孤独といった“ネガティブ”と呼ばれる感情を避けようとする傾向があります。しかし、人間の感情は自然な反応であり、良い・悪いといった評価は本来必要ありません。
抑えつけようとすると、感情は下に押し込められたまま消えず、むしろ強くなって戻ってきます。これがいわゆる「感情の再活性化」です。
たとえば一時的に我慢した怒りが後から爆発したり、悲しみと向き合えなかった人が、ふとした瞬間に涙があふれることがあります。これは感情が解消されていないサインです。
◆“感じ切る”とは何をすることなのか?
感じ切るとは、感情をジャッジせず、ただ「そのまま感じてあげる」ことです。
・これは良くない感情だ
・早く消したい
・感じたくない
といったラベルは一旦置き、身体の反応をそのまま見つめるイメージです。
カウンセリングのアドバンスでは、次のようなプロセスを丁寧に行います。
今、何を感じているのかに気づく 言葉で説明できなくても「胸が重い」「お腹がざわざわする」といった身体感覚から入ってもOK。 その感情を否定しない 良い・悪いの判断をしない。評価のフィルターを外す。 湧き出てくる感覚をただ味わう 涙が出るなら流していいし、怒りの熱があればそのまま感じてよい。 感情が自然に変化していくのを待つ 感情は“感じると変わる”。無理に変えようとしなくて良い。
これが「感じ切る」という状態です。
◆感情は感じ切ると自然に流れていく理由
感情はエネルギーとも言われます。心にとどまるのは、感じることを止めているからであり、流れるのを妨げているだけ。
しっかり味わうと、エネルギーは自然に消化され、次の段階へ進んでいきます。
実際、多くのクライアントが次のような体感を語ります。
ずっと重たかった気持ちがふっと軽くなる 怒りの奥に悲しみがあると気づける 悲しみを味わった後、安心感が戻る “問題が解決していないのに、なぜか楽になる”
これは、感情が「処理」され、「流れた」状態です。
外側の出来事は変わらなくても、内側の感情が流れるだけで、人は大きく変わるのです。
◆感じ切ることは感情コントロールではなく“解放”である
一般的なストレスケアは「感情をコントロールする」という視点を持ちがちですが、アドバンスカウンセリングでは真逆のアプローチをとります。
感情をコントロールしようとするほど、内側の緊張が強まり、長期的には心身の負担になってしまうからです。
一方「感じ切る→流れる→軽くなる」というプロセスは、自然で無理がなく、心にも身体にも優しい方法です。
これは感情を押さえつけるのではなく、解放するということです。
◆アドバンスカウンセリングで得られる変化
“感じ切る”ことを学び、実践し続けると、次のような変化が起こります。
感情に飲まれなくなる 気持ちの切り替えが自然にできる 人間関係のストレスが減る 自己否定が小さくなる 自分の本音に気づけるようになる
これは、表面的な思考の整理だけでは得られない、深い心の変化です。
◆感情は敵ではなく、あなたの味方
アドバンス段階で多くの人が気づくのは、
「感情は悪者ではなく、あなたを守ってきたメッセンジャー」
であるという事実です。
怒りは境界線を、悲しみは大切なものを、不安は未来への準備を教えてくれます。
だからこそ、感情を押し込める必要はありません。
ただ感じてあげるだけで、感情はあなたに必要なメッセージを伝え終え、自然と流れていくのです。

