カウンセリングにはさまざまなアプローチがあり、対話を中心としたものから、心身の状態を深いレベルで整えるものまで幅広い方法が存在します。その中で近年注目されているのが シータカウンセリング です。これは、脳波の「シータ波」を活用し、潜在意識にアクセスして心の奥深くにある問題や信念にアプローチする手法です。ベーシックなカウンセリングを学ぶ段階でこの考え方を理解することは、クライエントに多様な選択肢を提供する上でとても重要です。
シータ波とは何か
人間の脳は、活動状態によって異なる脳波を出しています。
ベータ波:日常的な思考や緊張状態で優位になる脳波 アルファ波:リラックスや集中の状態 シータ波:深いリラックス、まどろみ、瞑想状態で出やすい脳波 デルタ波:深い睡眠時に現れる脳波
この中で「シータ波」は、潜在意識にアクセスしやすい脳波として知られています。シータカウンセリングは、このシータ波を活用することで、クライエントが普段は気づきにくい心の奥の領域にアプローチしようとするものです。
シータカウンセリングの基本的な考え方
シータカウンセリングは、クライエントをリラックスさせ、シータ波状態に導きながら内面を探るアプローチです。従来の「言語によるやり取り中心」のカウンセリングとは異なり、より深層の心に働きかけるのが特徴です。
潜在意識にある信念や思い込みを探る 過去の体験に由来する感情を癒す 不要な思考パターンを解放し、新しい視点を持てるようにする
このように、シータカウンセリングは「心の深い部分に変化をもたらす」ことを目的としています。
シータカウンセリングの進め方
1. リラクゼーション誘導
呼吸法や瞑想を取り入れ、心身を落ち着けてシータ波が出やすい状態に入ります。
2. 潜在意識へのアクセス
カウンセラーが優しくガイドし、クライエントは自分の心の奥にある感情や思考に触れていきます。普段意識できない感覚や記憶が自然と浮かび上がることもあります。
3. 感情・信念の確認
浮かび上がってきた感情や思い込みを丁寧に扱い、必要に応じて解放や再解釈を行います。
4. 書き換え・癒し
不要な信念を手放し、よりポジティブで健全な思考や感覚に置き換えていきます。
5. 統合
セッションを通じて得られた気づきを日常生活にどう活かすかを整理し、意識を通常の状態に戻して終了します。
期待できる効果
シータカウンセリングを受けることで、多くの人が次のような効果を実感しています。
深いリラクゼーションによるストレス軽減 過去のトラウマや心の傷の癒し 自己肯定感の向上 ネガティブな思い込みの解放 直感力や創造性の高まり 前向きな行動や人生の方向性の再発見
これらは一度のセッションで劇的に変化するというよりも、繰り返しの実践や自己理解の深化によって徐々に実感されていくことが多いとされています。
他のカウンセリングとの違い
一般的なカウンセリングは、クライエントとカウンセラーの対話を中心に進めます。それに対してシータカウンセリングは、脳波や潜在意識といった「心の奥に直接働きかけるプロセス」が加わる点が大きな違いです。
このため、
言葉にしにくい悩み 無意識のうちに繰り返してしまうパターン 理屈では理解できても変えられない感情
といったテーマにアプローチしやすいのが特徴です。
ベーシックで学ぶ意義
カウンセリング(ベーシック)の段階でシータカウンセリングを学ぶことは、以下の意味を持ちます。
多様なアプローチのひとつとして理解できる 「潜在意識」という切り口を知ることで、クライエント理解の幅が広がる 伝統的なカウンセリング手法(傾聴・共感)との組み合わせが可能になる
つまり、基礎を学ぶうちに「対話以外のアプローチもある」という視野を持つことが、今後の実践力を高める第一歩となるのです。
まとめ
シータカウンセリングは、脳波のシータ波を活用し、潜在意識に働きかける新しいカウンセリング手法です。深いリラクゼーションを通して心の奥にある感情や信念を解放し、クライエントが新たな気づきや前向きな変化を得られるよう支援します。
ベーシックなカウンセリングの学びの中でシータカウンセリングを理解しておくことは、クライエントに寄り添う方法を多角的に身につける上で大変有意義です。心理学的な基礎とあわせて取り入れることで、より柔軟で実践的なサポートが可能になるでしょう。

