カウンセリング(アドバンス)における「沈黙」の大切さ
カウンセリングを学び始めた頃、多くの人が「何か話さなければ」「沈黙は良くないもの」と感じがちです。特にアドバンスレベルに進むまで、沈黙は“気まずさ”や“未熟さ”の象徴のように捉えられることも少なくありません。しかし、カウンセリング(アドバンス)において沈黙は、言葉以上に深い癒しと気づきを生む重要な要素です。
沈黙が生まれる瞬間、クライアントの内側ではさまざまなことが起きています。言葉にならなかった感情が浮かび上がったり、自分自身の本音に初めて触れたりする時間でもあります。カウンセラーがその沈黙を恐れて言葉を挟んでしまうと、本来クライアントがたどり着くはずだった“内的プロセス”を遮ってしまうことがあります。
アドバンスのカウンセリングでは、「話を引き出す技術」以上に、沈黙を保つ在り方が問われます。沈黙を保つとは、ただ黙っていることではありません。評価せず、急かさず、解決しようとせずに、クライアントと同じ場に“共にいる”姿勢です。その安定した在り方があるからこそ、クライアントは安心して自分の内面に向き合うことができます。
また、沈黙はクライアントだけでなく、カウンセラー自身を整える時間でもあります。言葉を手放すことで、表情や呼吸、エネルギーの変化など、言語以外の情報に自然と意識が向きます。アドバンスレベルでは、こうした非言語の感受性が、セッションの質を大きく左右します。
沈黙を恐れなくなると、カウンセリングは「会話」から「体験」へと変化します。クライアントは“理解された”と感じる前に、“受け止められた”と感じるようになります。そしてその感覚こそが、深い自己受容や変容につながっていくのです。
カウンセリング(アドバンス)における沈黙は、テクニックではなく信頼の表れです。何かを足そうとしなくても、そこに在るだけで十分な時間がある——その感覚を体得したとき、カウンセリングはより本質的なものへと進化していきます。

