カウンセリング(アドバンス)における「過去から解放される」アプローチとは
カウンセリングを学び、アドバンスの段階に入ると、多くの人が向き合うテーマのひとつが「過去」です。過去の出来事そのものは変えられませんが、過去との関係性は変えることができる——それが、カウンセリング(アドバンス)における基本的な考え方です。
過去から解放されるアプローチとは、つらい記憶を無理に忘れたり、前向きに捉え直したりすることではありません。むしろ大切なのは、過去の体験によって形づくられた感情や思考、身体感覚を、今の安全な場で丁寧に感じ直すことです。アドバンスでは、「問題を解決する」よりも、「体験を完了させる」ことに重点が置かれます。
多くの場合、過去の出来事が今も影響を与えているのは、その時に感じた感情が十分に表現されなかったり、受け止められなかったりしたからです。カウンセリングの場で、評価されることなく、その感情がそのまま存在できたとき、クライアントの内側では自然な変化が起こります。これが、過去から解放されていくプロセスです。
アドバンスのカウンセリングでは、言葉だけでなく、沈黙や呼吸、間(ま)も重要な要素になります。急がず、結論を出そうとせず、クライアント自身のペースを尊重することで、過去の体験は「今ここ」の中で再統合されていきます。
過去から解放されるとは、過去を否定することではありません。むしろ、「あの経験があっても、今の自分はここにいる」と認められるようになることです。カウンセリング(アドバンス)のアプローチは、過去を手放すというより、過去を抱え直し、今の自分の一部として統合する道なのです。
そのプロセスを支えることこそが、アドバンスにおけるカウンセラーの大切な役割だと言えるでしょう。

