カウンセリング(ベーシック)で大切な「心と体全体でペーシングする」技術とは?
カウンセリング(ベーシック)において、信頼関係の土台となる重要なスキルが「ペーシング」です。
ペーシングとは、クライアントの状態に寄り添い、心と体の両面で歩調を合わせることを指します。
単に「話を合わせる」ことではありません。
言葉、声のトーン、呼吸、姿勢、感情のリズムまで含めて調和させることが、本来のペーシングです。
なぜ“心と体全体”で行う必要があるのか?
人は言葉以上に、非言語情報を受け取っています。
心理学では、コミュニケーションの大半は表情・姿勢・声の質などの非言語要素が影響すると言われています。
たとえば、クライアントがゆっくりと静かに話しているのに、カウンセラーが明るく速いテンポで応じていたらどうでしょうか。
内容が共感的でも、どこか「ズレ」を感じさせてしまいます。
心で共感し、体でも同じリズムを刻む。
それによって「この人は分かってくれている」という無意識レベルの安心感が生まれます。
ベーシックカウンセリングにおける具体的なペーシング方法
① 呼吸を合わせる
クライアントの呼吸の深さやスピードを観察し、自然に同調します。
直接まねるのではなく、自分の呼吸を少し近づけるイメージです。
② 声のトーン・話すスピードを合わせる
高揚している方には少しエネルギーを、沈んでいる方には落ち着いたトーンを。
「感情の温度」を揃えることがポイントです。
③ 姿勢・身振りのミラーリング
完全なコピーは不自然ですが、方向性やリズムを緩やかに合わせることで親和感が高まります。
④ 感情レベルでの共鳴
「それはつらいですね」と言うだけでなく、自分の内側でも同じ感情を感じ取ろうとする姿勢が大切です。
ペーシングの本質は“安心の場づくり”
ペーシングの目的は、テクニックを使うことではありません。
目的は、クライアントが安心して本音を語れる空間をつくることです。
十分にペーシングができると、自然と信頼関係が生まれます。
その状態になって初めて、リーディング(方向づけ)が効果を持ちます。
順番は常に「ペーシングが先」です。
まとめ
カウンセリング(ベーシック)におけるペーシングとは、
・言葉だけでなく
・声、呼吸、姿勢
・そして感情のリズムまで
心と体の全体で寄り添う姿勢のことです。
クライアントは「正しい助言」よりも先に、「分かってもらえた」という体験を求めています。
まずは自分の呼吸を整え、相手の世界に静かに入っていく。
そこから、真のサポートが始まります。
