カウンセリングの基本は「自分の基準を知る」ことから始まる
カウンセリングというと、多くの人は「悩みを相談する場所」「心を整理するためのもの」というイメージを持つでしょう。しかし、ベーシック(基礎)レベルで最も重要なのは、実は“自分の基準を知る”ことです。
私たちは日常の中で、知らないうちに「他人の価値観」や「社会の常識」を基準に物事を判断しています。
そのため、本当はイヤなのに「普通はこうするものだから」と我慢したり、自分の幸せよりも周囲の期待を優先してしまったりします。
カウンセリングはその逆。
自分の気持ち・価値観・感覚に気づき、自分の基準(マイスタンダード)を取り戻す場です。
■ なぜ「自分の基準」を見失ってしまうのか?
人は生まれた瞬間から周囲の影響を受け続けています。
- 親や家族の価値観
- 学校でのルール
- 社会が良しとする“普通”
- SNSで見える他者の成功像
これらは決して悪いものではありませんが、長年にわたって外側の基準に合わせ続けていると、自分の本音がどこにあるのかが分からなくなることがあります。
たとえば、 - 「本当は休みたいのに、頑張らなきゃと思ってしまう」
- 「嫌と言えず、相手に合わせてしまう」
- 「やりたいことより、やるべきことで予定が埋まっている」
といった状態は、外側基準が強くなっているときに起こりやすい傾向です。
カウンセリングではまず、こうした外側の基準と、自分本来の基準を切り分けていく作業を行います。
■ “自分の基準”とは具体的に何を指すのか
自分の基準とは、簡単に言うと 「自分が心地よいと感じる選択の基準」 です。
たとえば、
- どんな働き方が心地よいか
- どんな人間関係を望んでいるのか
- 何に価値を感じ、何を大切にしたいのか
- どこからが負担で、どこまでなら頑張れるのか
- どうすると安心して行動できるのか
こうした“自分の感覚に根ざした判断軸”が、自分の基準です。
興味深いのは、この基準に善悪はないということ。 誰かと比べる必要も、正解・不正解をつける必要もありません。
■ カウンセリングではどうやって“自分の基準”を見つけるのか?
カウンセリングのベーシック段階では、次のような質問やワークがよく使われます。
● 1. 「本当はどうしたかった?」を掘り下げる
過去の出来事を丁寧に振り返り、
“あの時、本当はどう感じていたのか?”
“本当はどんな選択をしたかったのか?”
を言語化します。
これは、自分の感覚を再発見する作業でもあります。
● 2. 「今」の気持ちに気づく練習
多くの人は、感情を抑え続ける癖がついています。
カウンセリングでは、安心できる環境の中で、
- 今、モヤモヤしているのか
- 安心しているのか
- 疲れているのか
- 心が動いた瞬間はどこか
といった“今ここの感覚”にじっくり触れていきます。
● 3. 心地よさと違和感の境界線を知る
他人に気を遣う人ほど、自分の限界や心地よさが曖昧になりがちです。 カウンセリングでは、 「どこからが無理なのか」「どこまでは大丈夫なのか」を明確にしていきます。
これにより、自分の行動基準が育っていきます。
■ 自分の基準が分かると何が変わるのか?
カウンセリングを続け、自分の基準を取り戻し始めた人たちは、共通して次のような変化を実感します。
- イヤなことにNOと言えるようになる
- 人間関係のストレスが減る
- 行動や選択が軽くなる
- 無理せず自分らしく生きられる
- 他人の意見に振り回されにくくなる
- 小さなことでも満足感や幸福感が増える
特に「生きづらい」と感じてきた人にとって、自分の基準を取り戻すことは、人生の再スタートと言えるほど大きな変化につながります。
■ まとめ:自分の基準を知ることは、人生の土台づくり
カウンセリング(ベーシック)は、ただ悩みを話す場所ではありません。
自分の基準を知り、それに沿って生きるための土台づくりの時間です。
外側の基準に合わせて生きてきた人ほど、本来の自分の感覚は強く輝いています。
それに気づき、取り戻すことで、日常の選択が軽くなり、心が確かに楽になります。
カウンセリングは、その“本来の自分”に戻るための優しいガイドと言えるでしょう。

