カウンセリング(アドバンス)における「共感・共調」とは何か
カウンセリング(アドバンス)において、「共感」と「共調」はクライアントとの関係性を深め、変化を促すための非常に重要な要素です。初学者の段階では、共感=優しく話を聞くこと、と捉えられがちですが、アドバンスの領域では、より意図的で繊細な関わりが求められます。
共感・共調は、クライアントの感情や体験に“引きずられる”ことではなく、「理解しながらも巻き込まれない」高度なバランスの上に成り立っています。
共感とは「感情を正確に受け取る力」
共感とは、クライアントの言葉の奥にある感情や意味を、評価や解釈を加えずに受け取る姿勢です。「それはつらかったですね」といった表面的な反応だけではなく、クライアント自身がまだ言語化できていない感情に気づく手助けをすることが、本質的な共感と言えます。
アドバンスのカウンセリングでは、共感はゴールではなく“入口”です。共感によって安全な場が生まれることで、クライアントは自分の内面をより深く探求できるようになります。
共調とは「波長を合わせる技術」
共調とは、クライアントの話し方、呼吸、感情のテンポなどに自然に寄り添い、同じ“リズム”で関わることを指します。声のトーンや話すスピード、沈黙の取り方などを調整することで、クライアントは「理解されている」「受け止められている」と無意識レベルで感じます。
ただし、共調は模倣ではありません。表面的に真似をするだけでは不自然さが生まれ、逆に信頼関係を損なうこともあります。大切なのは、自分自身が落ち着いた状態を保った上で、相手に寄り添うことです。
共感・共調がもたらす変化
共感と共調が適切に行われると、クライアントの防衛は自然と緩みます。すると、問題の本質や、これまで避けてきた感情に向き合えるようになります。このプロセスこそが、アドバンスカウンセリングにおける変容の核心です。
一方で、共感しすぎるとカウンセラー自身が疲弊したり、境界線が曖昧になる危険もあります。そのため、自分の感情とクライアントの感情を区別する「内的な線引き」が不可欠です。
共感・共調はスキルであり、姿勢である
共感・共調は、生まれ持った才能ではなく、訓練によって磨かれるスキルです。同時に、「クライアントを尊重し、信頼する姿勢」がなければ成立しません。正解を与えようとするのではなく、クライアント自身が気づき、選択できるよう支えることが、アドバンスカウンセリングの本質です。
共感・共調を深めることで、カウンセリングは単なる相談の場から、クライアントが自分自身と深くつながるための場へと変わっていきます。

