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「夕方になると様子が変わる」そのお悩み、ありませんか
秋が深まり、日の入りが早くなるこの時期。「午後3時を過ぎた頃から急に落ち着きがなくなる」「家に帰りたいと言い出して困る」「イライラして声を荒げることが増えた」――そんな変化に戸惑っていらっしゃるご家族は少なくありません。
実はこれ、認知症のある方によく見られる「日没症候群(サンダウニング)」と呼ばれる現象かもしれません。特に秋から冬にかけて日照時間が短くなる季節は、この傾向が強まりやすいと言われています。今回は、この季節特有の悩みに寄り添いながら、ご家庭でできる工夫をお伝えします。
日没症候群とは何か
日没症候群とは、夕方から夜にかけて、不安・混乱・興奮・徘徊といった行動や心理症状(BPSD)が現れやすくなる状態を指す言葉です。すべての方に起こるわけではありませんが、認知症のある方の中には、この時間帯特有のつらさを抱えている方がいらっしゃいます。
なぜ夕方なのか、はっきりとした原因はまだ研究段階ですが、以下のような要因が関係していると考えられています。
考えられる主な要因
- 体内時計(概日リズム)の乱れによる疲労の蓄積
- 日中の疲れが夕方にピークを迎えること
- 光の変化による見え方・認識のしづらさ
- 影が長くなることで物の見え方が変わり、不安を感じやすくなること
秋冬に悪化しやすいと言われる理由
秋から冬は日没時間がどんどん早まっていきます。17時前には薄暗くなり始める地域も多く、室内と屋外の明暗の差が急激に生じやすい季節です。この「急な暗さ」が、見当識(今がいつで、ここがどこかという感覚)をさらに難しくさせる一因になっているのではないかと考えられています。
また、日照時間が短くなることで体内時計のリズムが乱れやすくなり、夜の不眠につながるケースもあります。睡眠の質が下がると、翌日の夕方の不安感がより強まる、という悪循環も起こりえます。
今日から試せる、秋の夕暮れ対策
1. 暗くなる前に照明をつける
部屋が薄暗くなり始めるタイミングで、早めに照明をつけることを心がけてみてください。急に真っ暗になるよりも、明るさが緩やかに移り変わる方が、気持ちも落ち着きやすいようです。タイマー付きの照明を使えば、つけ忘れを防ぐこともできます。
2. 夕方の時間を「見える化」する
「もうすぐ夕ご飯の時間ですね」「お風呂の支度をしましょうか」など、これから何が起こるかを言葉で伝えることで、見通しが立ち、不安が和らぐ場合があります。カレンダーや時計を見やすい場所に置くのも一つの方法です。
3. 日中の過ごし方を見直す
午前中に日光を浴びる時間を作ることは、体内時計を整えるうえで助けになると言われています。散歩やベランダでの日向ぼっこなど、無理のない範囲で取り入れてみてください。
4. 夕方の予定はゆったりと
この時間帯に病院の予約や来客など慌ただしい予定を入れると、負担が増すことがあります。できる範囲で、夕方はゆったり過ごせるスケジュールを組んでみましょう。
5. 落ち着く音や香りを取り入れる
お気に入りの音楽を小さな音量で流す、慣れ親しんだ香りのお茶を淹れるなど、安心できる感覚的な刺激を用意しておくと、気持ちを落ち着けるきっかけになることがあります。
ご家族ご自身の心も大切に
夕方の対応が続くと、介護をするご家族も疲れがたまりやすい時間帯だと思います。「また今日もか」と感じてしまうのは、決して冷たいことではありません。可能であれば、夕方だけでも誰かに代わってもらう、短時間でも一人になれる時間を作るなど、ご自身を休める工夫も意識してみてください。
一人で抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談することも、選択肢の一つです。「こんな小さなことで相談していいのか」と思わず、気軽に話してみてください。
まとめ
秋から冬にかけての日照時間の変化は、認知症のある方の夕方の不安や混乱――いわゆる日没症候群に影響している可能性があります。照明を早めにつける、日中に日光を浴びる、夕方の予定をゆったり組むなど、できることから少しずつ試してみてください。すべてがすぐに楽になるわけではありませんが、小さな工夫の積み重ねが、ご本人とご家族双方の心の負担を和らげる一歩になるはずです。今日の夕方、まずは一つだけ試してみませんか。


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