【カウンセリング(ベーシック)】「頼まれると、つい引き受けてしまう」あなたへ〜”ノー”が言えない心に、そっと逃げ道をつくってあげるおはなし〜

カウンセリング〜ベーシック〜

「ちょっとお願いできる?」
そう声をかけられると、本当は手いっぱいなのに、つい「うん、いいよ」と言ってしまう。

そんなふうに、断ることがどうしても苦手な方は、案外たくさんいらっしゃいます。今日は、そんな「つい引き受けてしまう」あなたの心に、そっと寄り添うおはなしをさせてください。

「断れない」のは、やさしさの証拠

まず、お伝えしたいことがあります。

あなたが断れないのは、意志が弱いからでも、器用じゃないからでもありません。むしろ、その反対なのです。

相手の顔が曇るのを見たくない。がっかりさせたくない。困っている人を、放っておけない。

そんなふうに、いつも相手の気持ちを先に考えてしまう。それはとても、あたたかい心のはたらきです。あなたのやさしさが、ちゃんとそこにある証拠なのですね。

だから、まずはそんな自分を責めないであげてください。「また引き受けちゃった」と思ったとしても、「それだけ人を思いやれるんだな」と、そっと肩をなでてあげてほしいのです。

少しだけ、”あいだ”の時間をつくってみる

とはいえ、引き受けすぎて、自分がへとへとになってしまうのは、やっぱりつらいですよね。

そんなときにおすすめしたいのが、返事をする前に、ほんの少しだけ”あいだ”をつくることです。

「うん、いいよ」がすぐに口をついて出そうになったら、いったん、ひと呼吸。

「ちょっと確認して、あとでお返事してもいい?」

この一言があるだけで、心にゆとりが生まれます。その場で即答しなくてもいいんだ、と思えると、ふっと肩の力がぬけていきますよ。

そして、その”あいだ”の時間に、自分自身にそっと聞いてみてください。

「わたしは、本当はどうしたいのかな?」

引き受けたい気持ちも、ちょっと休みたい気持ちも、どちらもあなたの本当の声です。どちらが正しいということはありません。ただ、自分の声にも耳をかたむけてあげる。それが、大切な一歩になります。

「断ること」は、相手を拒むことじゃない

断るのが苦手な方の多くは、心のどこかで、こう思っているのかもしれません。

「断ったら、嫌われてしまうかも」
「わたしの価値がなくなってしまうかも」

でも、どうか思い出してみてください。あなたが誰かにお願いをして、その人に「ごめんね、今日は難しくて」と言われたとき、あなたはその人を嫌いになりましたか?

きっと、「そっか、また今度ね」と思うだけですよね。

断ることは、相手を拒むことではありません。あなたが自分自身を、大切にするための行動なのです。

無理をして引き受けたことは、どこかで疲れやため息になって、じわりとにじみ出てしまうもの。それよりも、余裕のあるときに心から「いいよ」と言えたほうが、あなたも相手も、きっと気持ちよく過ごせます。

「今日は難しいけれど、来週なら手伝えるよ」
そんなふうに、できる範囲を伝える言い方もあります。全部を引き受けなくても、全部を断らなくてもいいのですね。

おわりに

つい引き受けてしまうあなたへ。

それは、あなたのやさしさがあふれているから。その心は、とても素敵なものです。ただ、これからは、そのやさしさを、少しだけ自分自身にも向けてあげてください。

返事の前に、ひと呼吸。
自分の本当の声に、そっと耳をすませて。

断ることは、わがままではありません。あなたが、あなたを大切にするための、やさしい選択です。

あなたはあなたのままで、じゅうぶんに素敵です。だから、どうか無理をしすぎないでくださいね。

今日も、がんばっているあなたに、そっとぬくもりが届きますように。


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