【カウンセリング(ベーシック)】「つい、なんでも引き受けてしまう」あなたへ〜上手に”ことわる”ことは、わがままじゃないというおはなし〜

カウンセリング〜ベーシック〜

「ちょっとお願いできる?」と声をかけられると、心の中では「今日はちょっと大変だな……」と思っているのに、つい「いいですよ」と笑顔で答えてしまう。

そんなふうに、頼まれると断れずに、なんでも引き受けてしまうことはありませんか。

気づけば予定はいっぱいで、自分のための時間はどこにもない。それでも「私が我慢すればいいか」と、そっと自分をあとまわしにしてしまう。

今日はそんな、やさしくてがんばり屋なあなたに、少しだけ肩の力がぬけるおはなしをお届けしたいと思います。

どうして、断るのがこんなに難しいのでしょう

断れない自分を「意志が弱いのかな」と責めてしまう方もいるかもしれません。でも、それはちがうのです。

断れないのは、あなたがそれだけ相手のことを思いやれる人だから。

「がっかりさせたくない」「嫌われたくない」「冷たい人だと思われたくない」——その気持ちの奥には、いつも相手への配慮があります。人とのつながりを大切にしたいという、あなたのやさしさそのものなのです。

だから、まずは断れない自分を責めないでくださいね。それは弱さではなく、あなたの持っている、あたたかな性質なのですから。

ただ、そのやさしさをいつも他の誰かにばかり向けていると、自分の心のコップが少しずつ空っぽになってしまうこともあります。

「ことわること」は、あなたを守る小さな鍵

断ることは、相手を突き放すことではありません。むしろ、自分の心とからだを大切にするための、そっとした鍵のようなものです。

考えてみてください。無理をして引き受けて、へとへとになってしまったら、その先で相手にやさしくすることも、だんだん難しくなってしまいますよね。

自分の余白をちゃんと残しておくこと。それは、まわりの人にやさしくあり続けるためにも、とても大切なことなのです。

「断る=わがまま」ではありません。「断る=自分の限界をちゃんと知っている」ということ。それは、大人としてのやさしい自己管理でもあるのです。

少しずつ、やさしい断り方を練習してみる

とはいえ、いきなりきっぱり断るのは、勇気がいりますよね。だから、無理をしなくてだいじょうぶ。少しずつでいいのです。

たとえば、こんな言葉から始めてみませんか。

– 「気持ちはうれしいのだけど、今回はごめんなさいね」
– 「少し考えてから、お返事してもいい?」
– 「今はちょっと難しいけれど、また今度なら」

すぐに答えを出さなくてもいいのです。「考えてみるね」と、ひと呼吸おくだけでも、心にゆとりが生まれます。

そして断ったあとに「悪いことをしたかな」と胸がざわついたら、そっと自分にこう声をかけてあげてください。

「今日は、自分のことも大切にできたね」と。

最初はぎこちなくても、少しずつで大丈夫。断ることに慣れていくたびに、あなたの心には、少しずつやさしい余白が戻ってくるはずです。

おわりに

なんでも引き受けてしまうのは、あなたがそれだけ心のあたたかい人だから。でも、そのやさしさを、どうか自分自身にも向けてあげてくださいね。

上手に断ることは、わがままではありません。あなた自身を、そっと守ってあげるための、やさしい選択なのです。

無理に変わろうとしなくても大丈夫。今日、ほんの少し「自分の気持ちも大事にしていいんだ」と思えたなら、それだけでもう、じゅうぶんに一歩を踏み出しています。

あなたはあなたのままで、いいのですから。

今日も、あなたの心がやさしくほどけますように。


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