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残暑が和らぐこの時期、なぜか夕方だけ様子が変わる
9月に入り、日中はまだ暑さが残るものの、日没の時間が少しずつ早まってきました。この「季節の変わり目」のタイミングで、「夕方になると急にそわそわする」「同じことを何度も聞いてくる」「外に出たがる」といったご家族の様子に戸惑っていませんか。実はこれ、認知症のある方によく見られる「夕暮れ症候群(サンダウニング)」と呼ばれる現象と、季節の変化が重なって起こりやすい時期なのです。
一人で抱え込まず、「なぜ起こるのか」「どう向き合えばよいのか」を知ることで、少し気持ちが楽になるはずです。今回は、この時期特有の夕方の不穏について、原因と具体的な対応方法をお伝えします。
夕暮れ症候群とは何か
夕暮れ症候群とは、夕方から夜にかけて、認知症の方の不安感や混乱、落ち着きのなさが強まる状態を指す言葉です。特に日照時間が変化しやすい秋口は、体内時計が乱れやすく、症状が出やすいと言われています。
考えられる主な原因
- 日没時間の変化により、体内時計(概日リズム)が乱れやすくなる
- 夕方の疲労感が蓄積し、感情のコントロールが難しくなる
- 照明が薄暗くなることで、部屋の様子が見えにくくなり不安を感じる
- 残暑と朝晩の冷え込みという寒暖差により、自律神経のバランスが崩れやすい
これらが重なることで、「家に帰りたい」と落ち着かなくなったり、些細なことで感情的になったりする場面が増えることがあります。
ご家庭でできる具体的な工夫
1. 照明を早めにつける
夕方、部屋が暗くなり始める前に照明をつけておくことで、視覚的な不安を和らげる助けになることがあります。特に電球色の柔らかい光は、白色の蛍光灯よりも落ち着いた雰囲気を作りやすいと感じるご家族の声も多くあります。タイマー付きの照明を活用すれば、つけ忘れの心配もなく、毎日決まった時間に自動で点灯させることができます。
2. 生活リズムを一定に保つ
季節の変わり目は特に、起床・食事・入浴の時間をできるだけ一定に保つことが大切だと言われています。日中に軽い散歩や日光浴を取り入れることで、体内時計を整える一助になるという考え方もあります。無理のない範囲で、朝の光を浴びる習慣を意識してみてください。
3. 夕方の過ごし方を工夫する
夕方は疲労がたまりやすい時間帯です。テレビの音量や周囲の物音を控えめにし、静かに過ごせる環境を整えることで、落ち着きを取り戻しやすくなる場合があります。好きな音楽をかけたり、アロマディフューザーで穏やかな香りを漂わせたりするのも、リラックスにつながる一つの方法です。
4. 「否定しない」声かけを意識する
「家に帰りたい」と言われたとき、事実と違うからといって強く否定すると、かえって混乱や不安を強めてしまうことがあります。「そうですね、少ししたら一緒に帰りましょうか」など、いったん気持ちに寄り添う言葉をかけることで、落ち着きを取り戻すきっかけになることがあります。
介護をするご自身の心も大切に
夕暮れ症候群への対応は、介護をする側にとっても大きな負担になりがちです。毎日同じ時間帯に繰り返されると、精神的に疲れてしまうのは当然のことです。すべてを完璧にこなそうとせず、「今日はここまでできた」と自分自身をねぎらうことも忘れないでください。
デイサービスやショートステイなど、外部のサポートを取り入れることも、ご本人にとってもご家族にとっても良い距離感を保つ手段になります。一人で抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみるのもおすすめです。
まとめ
季節の変わり目に増える夕暮れ症候群は、日照時間の変化や寒暖差、生活リズムの乱れなど、さまざまな要因が重なって起こりやすくなります。夕方前の照明の工夫、生活リズムの安定、静かな環境づくり、そして否定しない声かけを意識することで、ご本人が少しでも安心して過ごせる時間を増やせるかもしれません。無理せず、できることから一つずつ取り入れてみてください。


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