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「今日はいつもより元気がないみたい」「なんだかぼんやりしている気がする」——夏になると、こんな小さな違和感を覚えることはありませんか。認知症のご家族を介護されている方の中には、暑さによる体調の変化を見逃してしまうのではないかと、毎日不安を抱えながら過ごしている方も少なくないでしょう。
認知症の方は、暑さやのどの渇きを自分から言葉で訴えることが難しい場合があります。そのため気づいたときには脱水症状がかなり進んでいた、というケースも実際に起こりえます。この記事では、夏場の認知症ケアで特に注意したい脱水・夏バテのサインと、無理なく続けられる見守りの工夫についてお伝えします。
なぜ認知症の方は脱水に気づきにくいのか
認知症の症状が進むと、暑さや喉の渇きといった体の感覚そのものが鈍くなったり、それを言葉として表現する力が弱くなったりすることがあると言われています。「暑いですか」「お水飲みますか」と聞いても「大丈夫」と答えることも多く、実際の体調とは異なる返事が返ってくることも珍しくありません。
そのため、ご本人の言葉だけを頼りにするのではなく、周囲が様子の変化に目を配ることが大切な役割になってきます。
見逃しやすい脱水・夏バテのサイン
普段との違いに注目する
脱水や夏バテのサインは、わかりやすい形で現れるとは限りません。次のような普段との「違い」に気づくことが、早めの対応につながります。
- いつもより口数が少ない、反応がゆっくりしている
- 食欲が落ちている、食事の量が減っている
- 皮膚や唇が乾燥している、口の中が乾いている様子
- おしっこの回数や色がいつもと違う
- ぼんやりしている時間が増えた、うとうとしがち
- ちょっとしたことでイライラしやすくなっている
「なんとなくいつもと違う」という感覚こそ、介護をしているご家族だからこそ気づける大切なサインです。違和感を覚えたときは、様子を注意深く見守るようにしましょう。
今日からできる水分補給の工夫
声かけのタイミングを決めておく
「喉が渇いたら教えてね」だけでは、なかなか水分補給が進まないことがあります。そこでおすすめなのが、時間を決めて声をかける方法です。例えば「朝食後」「10時」「昼食後」「15時」「夕食後」というように、生活の区切りに合わせて水分補給の時間を設けると、無理なく習慣にしやすくなります。
飲みやすい工夫を取り入れる
水だけだと飲みにくいと感じる方には、麦茶やほうじ茶、少し甘みのある飲み物、ゼリー状の飲料なども選択肢に入れてみましょう。汗をかいた日には、経口補水液やスポーツドリンクを薄めたものを取り入れるご家庭もあります。ご本人の好みや体調に合わせて、無理なく続けられる形を探してみてください。
見える場所に飲み物を置く
目に入る場所にコップや飲み物を置いておくことで、自然と手が伸びることもあります。テーブルの上や、いつも座っている椅子の近くなど、生活動線に合わせて配置を工夫してみましょう。
室温管理と熱中症対策も忘れずに
認知症の方は「暑い」という感覚が鈍くなっていることがあるため、エアコンを使うことに抵抗を感じたり、暑さを我慢してしまったりすることがあります。室温計や湿度計を目につく場所に置き、家族が定期的にチェックする習慣をつけると安心です。
また、エアコンの風が直接体に当たると冷えすぎてしまうこともあるため、風向きの調整や、羽織るものを用意しておくといった配慮も役立ちます。夜間の熱中症も起こりうるため、就寝時の室温にも気を配りたいところです。
家族が無理をしないための工夫
毎日こまめに様子を確認し続けることは、決して簡単なことではありません。見守りセンサーや室温・湿度がわかる機器を活用すると、常に付きっきりでいなくても状況を把握しやすくなります。デイサービスやショートステイなど、外部のサービスをうまく取り入れながら、ご自身の休息の時間を確保することも、長く介護を続けていくうえで大切な視点です。
「自分がしっかり見ていないと」と気負いすぎず、周囲の力も借りながら、できる範囲で見守りを続けていく姿勢が、結果的にご本人にとっても安心できる環境づくりにつながっていきます。
まとめ
認知症の方は暑さや喉の渇きを自分から訴えにくいため、周囲が普段との違いに気づき、早めに対応することが大切です。決まった時間の声かけや飲みやすい工夫、室温管理、見守り機器の活用など、できることから少しずつ取り入れてみてください。無理をせず、ご家族自身の体調にも気を配りながら、今年の夏も穏やかに過ごせるよう工夫を重ねていきましょう。


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