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夕方になると急に落ち着かなくなる、そのお悩みありませんか
「午前中は穏やかだったのに、夕方になると急にそわそわし始める」「『家に帰る』と言って玄関に向かおうとする」——こうしたご家族の変化に戸惑い、疲れを感じている介護者の方は少なくありません。特に8月下旬から9月にかけては、日没時間が急速に早まる季節。この時期特有の環境変化が、認知症の方の心の不安定さに影響を与えることがあります。
この現象は「夕暮れ症候群(サンダウニング)」と呼ばれ、多くのご家庭で経験される悩みのひとつです。今回は、なぜこの時期に症状が出やすいのか、そしてご家族としてどう向き合っていけばよいのかを、具体的にお伝えします。
なぜ「夕暮れ症候群」は秋口に強く出やすいのか
日照時間の急激な変化が体内時計に影響
8月末から9月にかけては、1日あたり数分単位で日没時間が早まっていきます。この変化は健康な人にとってはわずかな違いですが、認知機能に変化がある方にとっては、体内時計(概日リズム)を整える力が弱まっているため、光の変化への適応がより難しくなる場合があります。
「時間の感覚」があいまいになりやすい時間帯
夕方は空の色が刻々と変わり、部屋の中も薄暗くなっていく時間帯です。この視覚的な変化が「今が何時なのか」「昼なのか夜なのか」という判断を難しくさせ、不安感につながることがあると考えられています。
残暑と気温差による疲労の蓄積
この時期はまだ日中の暑さが残る一方、朝晩は涼しくなり始めます。こうした寒暖差は身体への負担となり、夕方には疲労が蓄積して、感情のコントロールがしにくくなる一因になることもあります。
今日から試せる、夕方の不安をやわらげる工夫
照明は「早めに、じんわりと」つける
日没前、部屋がまだ明るいうちから間接照明をつけておくと、急激な明暗の変化を防ぐことができます。タイマー付きの照明であれば、毎日同じ時間に自動で点灯するため、介護者の負担も減らせます。オレンジ系の暖色光は、白色light光に比べて刺激が少なく、落ち着いた雰囲気づくりに役立つという声もあります。
夕方の時間帯に「安心できるルーティン」を作る
毎日同じ時間に、同じ流れで過ごす習慣があると、見通しが立ちやすくなり安心感につながることがあります。例えば「16時になったらお茶を飲む」「17時からテレビで決まった番組を見る」など、シンプルで続けやすい習慣を作ってみましょう。
会話では「否定しない」「短い言葉で」を意識する
「家に帰る」と言われたとき、頭ごなしに否定すると、かえって混乱や不安を強めてしまうことがあります。「そうですね、少し休んでからにしましょうか」など、いったん気持ちを受け止める言葉かけが有効な場合があります。長い説明よりも、短く穏やかな言葉のほうが伝わりやすい傾向があります。
香りや音で場の雰囲気を整える
ラベンダーなど、リラックスを促すとされる香りをアロマディフューザーで焚いたり、静かな音楽を流したりすることで、部屋全体の雰囲気が落ち着くこともあります。強い香りは逆効果になる場合もあるため、ごく薄めに使うのがポイントです。
介護者自身の負担を減らす視点も大切に
夕暮れ症候群への対応は、介護者にとって精神的にも体力的にも負担が大きいものです。すべてを完璧にこなそうとせず、見守りセンサーなどの機器を活用して少し目を離せる時間を作る、家族内で夕方の対応を分担する、といった工夫も検討してみてください。介護者自身が疲れすぎないことも、穏やかな関わりを続けるための大切な条件です。
まとめ
秋の気配が近づくこの時期、日照時間の変化や気温差が、認知症の方の夕方の不安感に影響することがあります。照明を早めに調整する、決まったルーティンを作る、否定せず短い言葉で寄り添う——こうした小さな工夫の積み重ねが、ご本人とご家族双方の安心につながっていきます。まずは今日の夕方、いつもより少し早めに部屋の明かりをつけてみることから始めてみませんか。

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