【カウンセリング(ベーシック)】「あの時、ああしていれば」と過去をくり返し思い出してしまうあなたへ〜終わったことに、そっと区切りをつけるおはなし〜

カウンセリング〜ベーシック〜

ふとした瞬間に、ずっと前の出来事を思い出して、胸がぎゅっとなる。「どうしてあんなことを言ってしまったんだろう」「あの時、違う選択をしていたら」——そんなふうに、過ぎ去ったことを何度も何度も頭の中でくり返してしまう。

もし、あなたにそんな時間があるとしても、どうか安心してくださいね。それは、あなたが物事をていねいに受けとめて、真剣に生きてきたという証でもあるのです。

今日は、過去をくり返し思い出してしまう心と、やさしく付き合っていくヒントをお話ししたいと思います。

「思い出してしまう」のは、心が真面目な証拠

過去の失敗や後悔を何度も思い返してしまうのは、決して「弱いから」ではありません。むしろ、あなたの心が「同じ痛みをくり返したくない」と、あなたを守ろうとしているのかもしれません。

けれども、過ぎたことをずっと握りしめていると、心も少しずつ疲れてしまいます。まるで、重たい荷物を抱えたまま、ずっと歩き続けているように。

まずは、「ああ、私はまた思い出しているんだな」と、そのことに気づいてあげてください。責めるのではなく、「よく気づいたね」と、そっと声をかけるように。気づくだけで、ぐるぐるとした思考から、少し距離をとることができます。

過去のあなたは、そのときの精いっぱいを生きていた

いま振り返ると「もっとこうすればよかった」と思えることも、その当時のあなたは、持っていた力や知識のなかで、精いっぱいの選択をしていたはずです。

今のあなたが「ああすればよかった」と気づけるのは、あの経験があったからこそ。つまり、過去のあなたが、今のあなたを育ててくれたとも言えるのですね。

もし過去の自分に声をかけられるとしたら、なんと言ってあげたいでしょうか。「あの状況で、よくがんばったね」「あなたは間違ってなかったよ」——そんな言葉が浮かんだなら、それを今の自分にも、そっと向けてあげてください。

過去を変えることはできません。でも、過去への「まなざし」は、いつからでも変えていくことができます。

そっと区切りをつける、小さな習慣

頭の中でぐるぐるが止まらないときは、その気持ちを紙に書き出してみるのもおすすめです。「本当は、こう言いたかった」「あの時、悲しかった」——言葉にしてみると、心の中にたまっていたものが、少しだけ外へ流れていきます。

書き終えたら、その紙を静かに閉じたり、そっと破いたりして、「今日はここまで」と区切りをつけてみてください。区切りをつけることは、忘れることでも、なかったことにすることでもありません。「今の私は、今を生きていく」と、やさしく心に伝えてあげる時間です。

それでも心がざわつく日は、深呼吸をひとつ。息を吐きながら、抱えていたものを少しだけ手放すイメージをしてみてくださいね。

おわりに

過去を思い出してしまう自分を、どうか責めないであげてください。それは、あなたが一生懸命に生きてきた足跡そのものです。

過去のあなたも、今のあなたも、どちらも大切な「あなた」。少しずつでいいのです。過ぎたことにそっと区切りをつけながら、今日という一日を、あなたのペースで歩いていけますように。

過去は変えられなくても、これからの毎日は、あなたのもの。あなたはあなたのままで、大丈夫ですよ。


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