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夕方になると急にそわそわ…その悩み、あなただけではありません
「日が暮れる頃になると、なぜか落ち着きがなくなる」「『家に帰る』と言って玄関に向かおうとする」「夕食の準備で少し目を離した隙に、いつもと違う様子になっている」——秋が深まるこの時期、こうした変化に戸惑うご家族は少なくありません。
実はこれ、多くの認知症の方に見られる「夕暮れ症候群(サンダウニング)」と呼ばれる現象です。特に9月から10月にかけては日没時刻がぐっと早まり、体内時計や環境の変化についていけず、混乱や不安が強まりやすい時期といわれています。今回は、この時期ならではの悩みに寄り添いながら、ご家庭で試せる工夫をお伝えします。
なぜ秋の夕方に症状が出やすいのか
日照時間の急な変化
9月に入ると、8月に比べて日没時刻が30分以上早まる地域も多くあります。この急激な光の変化に体内時計がついていけず、時間の感覚があいまいになりやすいと考えられています。「まだ明るいはずなのに暗い」という感覚のズレが、不安につながることもあるようです。
気温差による疲労の蓄積
残暑と朝晩の冷え込みが混在するこの季節は、自律神経への負担が大きくなりがちです。日中に感じる疲れが、夕方以降に落ち着きのなさとして表れるケースも見られます。
視界が薄暗くなることへの不安
部屋の中が徐々に暗くなっていく様子は、認知症の方にとって「何かがおかしい」という漠然とした不安を引き起こすことがあります。影や物の輪郭が見えにくくなることで、見慣れたはずの部屋にも違和感を覚えることがあるようです。
家庭でできる具体的な対策
照明は「暗くなる前」に点ける
薄暗さを感じさせる前に、日没の30分〜1時間前を目安に部屋の照明を点けておくことをおすすめします。特にリビングや廊下、トイレまでの通路は明るさを保つと、暗さへの不安を和らげる助けになるといわれています。タイマー付きの照明を活用すれば、点け忘れも防げて便利です。
夕方のスケジュールをあらかじめ決めておく
「この時間になったらお茶を飲む」「この時間に一緒に窓を閉める」など、夕方に決まった行動を組み込むことで、見通しが立ちやすくなり、落ち着いて過ごせる時間が増えるという声もあります。日課として繰り返すことで、安心感につながるようです。
声かけは否定せず、気持ちに寄り添う
「家に帰りたい」と言われたときに「ここがあなたの家です」と強く否定すると、かえって混乱を深めてしまうことがあります。まずは「そうなんですね、心配ですよね」と気持ちを受け止め、そのうえで「もう少ししたら一緒に行きましょうか」など、穏やかに気をそらす声かけが効果的だったという例も多く報告されています。
香りや音で安心できる空間づくり
ラベンダーなど穏やかな香りのアロマや、静かな音楽を取り入れることで、リラックスできる雰囲気づくりを試みるご家庭もあります。電池式のディフューザーなら、コード周りを気にせず安全に使えるため取り入れやすいでしょう。
介護する側の心構えも大切に
夕暮れ症候群への対応は、ご家族にとっても負担が大きいものです。「毎日同じ時間に同じことが起きる」という状況は、心身ともに疲弊しやすくなります。すべてを完璧に対応しようとせず、「今日はこの程度でよしとしよう」と自分を許すことも、長く続けるためには欠かせません。
また、見守りセンサーなどを活用して、少しの時間だけでも安心して離れられる環境を整えることも、介護する側の心の余裕につながります。一人で抱え込まず、デイサービスやショートステイなど外部のサポートを取り入れることも検討してみてください。
まとめ
秋の夕暮れ時に見られる落ち着きのなさは、日照時間の変化や気温差など、この季節特有の要因が関係していると考えられています。照明を早めに点ける、夕方の過ごし方をパターン化する、否定せずに気持ちに寄り添うといった工夫を積み重ねることで、ご本人もご家族も少しずつ穏やかに過ごせる時間が増えていくかもしれません。今日からできる小さな工夫を、一つずつ試してみてはいかがでしょうか。


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