「あ、ごめんね」「すみません」
一日のなかで、この言葉を何回くらい口にしているでしょうか。
だれかに道をゆずってもらったとき。ちょっと質問をしたいとき。少し手伝ってもらったとき。本当は「ありがとう」でいい場面でも、つい「ごめんね」が先に出てしまう——そんな経験はありませんか。
今日は、そんな「つい謝ってしまう」あなたに、そっと寄り添うおはなしをしてみたいと思います。
「ごめんね」が口ぐせになるのは、やさしさの証かもしれません
つい謝ってしまう人は、実はとても心くばりのできる方が多いのです。
「相手に迷惑をかけていないかな」「気を悪くさせていないかな」——そんなふうに、いつも相手の気持ちを想像しているからこそ、「ごめんね」という言葉が自然と出てくるのですね。
それはとても素敵な、あなたのやさしさです。
でも、そのやさしさが自分自身に向かうとき、少しだけ苦しくなることもあります。「自分がここにいることを、なんだか申し訳なく感じてしまう」。そんな気持ちが積み重なると、いつのまにか心が小さくちぢこまってしまうこともあるのです。
もしあなたが、必要のない場面でも謝ってしまう自分に少し疲れを感じているなら、それは「もう少し自分を大切にしてもいいよ」という、心からのやさしいサインなのかもしれません。
「ごめんね」を「ありがとう」に、そっと置きかえてみる
もし、変えてみたいなと思ったら、ひとつだけ試してほしいことがあります。
それは、「ごめんね」を「ありがとう」に置きかえてみること。
たとえば——
「待たせてごめんね」を「待っていてくれてありがとう」に。
「気をつかわせてごめんね」を「気づかってくれてありがとう」に。
「手伝ってもらってごめんね」を「手伝ってくれてありがとう」に。
不思議なことに、同じ場面でも、言葉が変わると空気がふっとやわらかくなります。「ごめんね」には少しだけ相手に負担を感じさせる響きがありますが、「ありがとう」は、あなたと相手の両方をあたたかく包んでくれるのです。
もちろん、本当にあやまるべき場面では「ごめんね」を大切に使ってくださいね。ここでお伝えしたいのは、「感謝の気持ちなのに、つい謝ってしまう」ときに、少しだけ言葉を選びなおしてみる、ということです。
すぐに全部を変えなくても大丈夫。一日に一回、置きかえられたら、それでじゅうぶんです。
変わらなくても、あなたはあなたのままでいい
ここまで読んでくださって、「変えてみようかな」と思った方も、「でも、なかなか難しそう」と感じた方もいらっしゃると思います。
どちらの気持ちも、そのままで大丈夫です。
口ぐせというのは、長い時間をかけて、あなたが自分を守りながら身につけてきたものです。すぐに変えられなくても、それはちっとも悪いことではありません。むしろ、そこまでがんばってきた自分を、まずはそっとねぎらってあげてください。
カウンセリングの場でも、こうした小さな「口ぐせ」から、その方の生きてきた道のりや、大切にしてきたやさしさが見えてくることがあります。言葉は、あなたの心を映す、やさしい鏡のようなものなのですね。
もし、自分ひとりで抱えるのが少しつらいなと感じたら、だれかに気持ちを話してみることも、心をほどく一歩になります。
おわりに
「ごめんね」が口ぐせのあなたは、それだけまわりを思いやれる、あたたかい方です。
その素敵なやさしさを、どうかあなた自身にも分けてあげてください。「ありがとう」という言葉には、あなたの心をふっと軽くしてくれる力があります。
変わろうとするあなたも、今のままのあなたも、どちらもすばらしい。
あなたはあなたのままで、じゅうぶん大丈夫です。今日も、ここまで来たあなたに——ありがとう。
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