「もし、失敗したらどうしよう」
「あの人に、嫌われてしまったら……」
「この先、うまくいかなかったら……」
まだ何も起きていないのに、頭の中は”もしも”でいっぱい。そんな時間を過ごしていませんか。
夜、布団に入ってから、ぐるぐると先のことを考えてしまって眠れない。せっかくのお休みなのに、心はちっとも休まらない。そんなあなたに、今日はそっと寄り添うおはなしをしたいと思います。
「心配」は、あなたのやさしさの裏返し
まず、お伝えしたいことがあります。先のことをたくさん心配してしまうのは、あなたが「ダメな人」だからではありません。
むしろ、それは物事をていねいに考えられる証(あかし)であり、まわりの人を大切に思うやさしさの表れでもあるのです。「準備をしっかりしておきたい」「誰かを困らせたくない」——そんな気持ちが強いからこそ、心は先回りして”もしも”を考えようとします。
ただ、その心の働きが、少しがんばりすぎてしまうことがあります。まだ起きてもいないことを、まるで今、目の前で起きているかのように感じてしまう。そうすると、心もからだも、休むひまがなくなってしまうのですね。
だから、どうか「また心配してる、私ってダメだな」と、自分を責めないでください。あなたの心は、あなたを守ろうと、一生懸命はたらいてくれているだけなのですから。
“もしも”に、そっと問いかけてみる
頭の中の”もしも”が大きくなってきたら、ひとつ、やさしい問いかけをしてみましょう。
「その心配は、今、本当に起きていることかな?」
ほとんどの場合、答えは「いいえ」だと思います。私たちが心配することの多くは、まだ起きていない未来のできごとです。そしてそのうちの大半は、実際には起こらないとも言われています。
もちろん、「起きないから大丈夫」と無理に思い込む必要はありません。ただ、「今この瞬間は、まだ何も起きていないんだな」と気づくだけで、心はほんの少し、ふっとゆるみます。
もうひとつ、おすすめしたいのは、心配ごとを紙に書き出してみること。頭の中でぐるぐる回っている時は、実際よりもずっと大きく、こわいものに感じられます。でも、言葉にして書き出してみると、「あれ、思ったより小さなことだったかも」と感じられることも少なくありません。
書いたあとは、「今できること」と「今はどうにもできないこと」に、そっと分けてみましょう。どうにもできないことは、いったん、心の外にそっと置いておいていいのです。
「今、ここ」に、そっと帰ってくる
心が未来に飛んでいってしまった時、いちばんのお守りになるのは「今、ここ」に戻ってくることです。
あたたかいお茶を、ゆっくり味わってみる。窓の外の空を、ぼんやり眺めてみる。深呼吸をひとつ、ふぅっと吐き出してみる。手のひらを胸にそっと当てて、「大丈夫だよ」と心の中でつぶやいてみる。
そんな小さなことで十分です。五感で「今」を感じている時、心は不思議と、未来の”もしも”から離れていきます。
それでも、どうしても不安が重たくて、ひとりで抱えきれない時は、誰かに話を聞いてもらうのも、とてもいい選択です。カウンセリングは、そんな「頭の中のぐるぐる」を、安心できる場所でそっと言葉にしていく時間でもあります。
おわりに
まだ起きていないことを心配してしまうのは、あなたが未来を大切にしている証拠です。その気持ちごと、否定しなくて大丈夫。
ただ、心配で心がいっぱいになってしまった時は、そっと「今、ここ」に帰ってきてくださいね。あなたが本当に生きているのは、いつだって”この瞬間”なのですから。
心配性なあなたも、そのままのあなたで、大丈夫。
今日という一日が、あなたにとって、少しでも心穏やかな時間になりますように。
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