新しい一歩を踏み出したほうがいいのはわかっている。でも、なぜか足がすくんでしまう。「変わったほうがいいよ」と言われるたびに、胸の奥がきゅっと縮こまる——。
そんなふうに、「変わること」に対してこわさを感じてしまうこと、ありませんか。
今日は、そんなあなたの心に、そっと寄り添うおはなしをしてみたいと思います。
「変わりたくない」は、あなたを守るための気持ち
新しい環境、新しい人間関係、新しい挑戦。まわりは「がんばって」「きっと大丈夫」と背中を押してくれるのに、自分だけがその場に立ちすくんでいるように感じる。
そんなとき、「どうして私はこんなに臆病なんだろう」と、自分を責めてしまうかもしれません。
でも、どうか思い出してみてください。「変わりたくない」という気持ちは、決してあなたの弱さではないのです。
わたしたちの心には、もともと「今の状態を保とう」とする、やさしい仕組みが備わっています。それは、慣れ親しんだ場所にいることで、あなたを守ろうとしてくれているのです。
急に大きく変わることは、心にとって、とても大きなエネルギーがいること。だから「こわい」と感じるのは、ごく自然なこと。あなたの心が、ちゃんと働いてくれている証でもあるのです。
大きく変わらなくても、だいじょうぶ
「変わらなきゃ」と思うとき、わたしたちはつい、いきなり大きなジャンプをイメージしてしまいがちです。
まったく別の自分になる。ぜんぶを一新する。そんなふうに考えると、こわくなって当然ですよね。
でも、変化って、そんなに大きなものでなくてもいいのかもしれません。
たとえば、いつもと違う道を歩いてみる。飲んだことのないお茶を、ひとつ試してみる。ずっと気になっていた本を、一ページだけめくってみる。
そんな、ほんのちいさな「いつもと違う」を、ひとつだけ。
それだけでも、あなたの世界はほんの少し、やわらかく動きはじめます。大きく変わろうとしなくていい。ほんの半歩だけ、足の向きを変えてみる。そのくらいのペースで、じゅうぶんなのです。
そして、もし「今日はやっぱりやめておこう」と思ったなら、それでもかまいません。立ち止まることも、あなたが自分を大切にしている、ひとつの選び方なのですから。
こわさを感じたまま、そっと歩いてもいい
「こわさがなくなってから、動きだそう」——そう思っていると、なかなか一歩が踏み出せないこともあります。
でも実は、こわさというのは、無理に消そうとしなくてもいいものなのかもしれません。
こわいまま、ちょっとだけ動いてみる。ドキドキした心を、そっと連れて歩いてみる。
「こわいね、でも、いっしょに行ってみようか」と、自分の心に声をかけてあげるように。
こわさは、あなたが何か大切なことに向き合おうとしているサインでもあります。それは、あなたがちゃんと前を向いている証拠。
だから、こわさを感じている自分を、どうか責めないであげてください。そのこわさごと、あなたはとても一生懸命なのです。
もし心がざわついて落ち着かないときは、ゆっくり呼吸をしてみたり、あたたかい飲み物で心をほぐしてあげたり。手のひらをそっと胸に当てて、「よくがんばってるね」と、自分にぬくもりを届けてあげるのもいいですね。
おわりに
「変わることがこわい」——その気持ちは、あなたを守ろうとする、やさしい心の働きです。
無理に大きく変わろうとしなくてもいい。ほんの半歩、いつもと違うことをひとつだけ。そして、こわさを感じたままでも、あなたのペースで、そっと歩いていけばいいのです。
変わらないあなたも、少しずつ変わっていくあなたも、どちらもちゃんと素敵です。
あなたは、あなたのままでいい。今日も、そのままのあなたに、そっとエールを送っています。
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