「今、どんな気持ち?」
そう聞かれたときに、うまく答えられなくて、言葉に詰まってしまうこと、ありませんか。
うれしいのか、悲しいのか。楽しいのか、しんどいのか。自分のことなのに、なんだか他人事みたいで、心の中がぼんやりと霧がかかったように感じてしまう。
そんなあなたに、今日はそっと寄り添うおはなしをお届けします。
気持ちがわからないのは、あなたのせいじゃない
まず、いちばんお伝えしたいのは、「自分の気持ちがわからない」のは、決してあなたが冷たいからでも、鈍いからでもない、ということです。
むしろ、これまでたくさんがんばってきた人ほど、そうなりやすいのかもしれません。
まわりの人の気持ちを優先してきた。「わがままかな」と自分の感情にフタをしてきた。しんどくても「大丈夫」と言い聞かせてきた。
そうやって毎日を乗り越えてくるうちに、いつのまにか自分の心の声が、少し遠くに感じられるようになっただけなのです。
それは、あなたが自分を守るために身につけた、とても健気なやり方でもあります。だから、「感じられない自分」を責めなくても、だいじょうぶ。まずはそのままの自分に、そっと「おつかれさま」と声をかけてあげてくださいね。
まずは、からだの声に耳をすませてみる
「気持ちがわからない」とき、いきなり心をのぞこうとしても、なかなかつかめないことがあります。
そんなときは、心よりも先に、からだに聞いてみるのがおすすめです。
たとえば、今この瞬間。
肩に力が入っていませんか。おなかのあたりが、なんだか重くありませんか。呼吸は、浅くなっていないでしょうか。
心はごまかせても、からだは案外正直です。肩がこわばっているなら、もしかしたら緊張しているのかもしれません。胸のあたりがそわそわするなら、なにか気がかりなことがあるのかもしれません。
「なんだか、疲れてるみたいだな」
「ちょっと、モヤモヤしてるかも」
それくらいの、ざっくりとした気づきで十分です。正確に言葉にできなくても、「なんとなくこんな感じ」を感じられたなら、それはもう、自分の気持ちにそっと触れられている証拠なのですから。
「小さな好き」を集めてみる
感じることを少しずつ取り戻すのに、もうひとつやさしい方法があります。
それは、日々の中の「小さな好き」に気づいてあげること。
朝のコーヒーの香りが、なんだか好き。
やわらかいタオルの手ざわりが、心地いい。
夕暮れの空の色が、きれいだなと思う。
大きな感動でなくてかまいません。ほんの小さな「いいな」「好きだな」という感覚を、一日にひとつでも見つけてみる。
こうした小さな心の動きに気づいていくことが、少しずつ「感じる力」をあたためてくれます。凍っていた心が、あたたかいお湯に触れて、じんわりとほどけていくように。
もし気が向いたら、その日見つけた「小さな好き」を、手帳やスマホにひとことメモしておくのもいいですね。あとで読み返すと、「わたしにも、ちゃんと感じる心があるんだ」と、そっと思い出させてくれますよ。
おわりに
自分の気持ちがわからないとき、私たちはつい焦ってしまいます。「ちゃんと感じなきゃ」「早く答えを出さなきゃ」と。
でも、心は急かされると、かえって縮こまってしまうもの。だから、どうか焦らないでくださいね。
からだの声に耳をすませて、小さな「好き」を集めていく。そんなふうに、ゆっくりゆっくり、自分の感覚を取り戻していけばいいのです。
わからない日があってもいい。ぼんやりする日があってもいい。それでも、あなたの心はちゃんと、あなたのそばにあります。
感じられない自分も、少しずつ感じ始めた自分も、どちらもまるごと、あなたのままでいいのですから。
今日もあなたの心が、ほんの少し軽くなりますように。
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